ついに…!サカナクション6年ぶりの新アルバム「834.194」が発売となりました!!
最初は4月に発売予定だったものの、作品づくりに妥協したくないという事で、6月19日の発売となった今作。
レコ発ツアーとなる予定だったライブは、アルバム発売前のタイミングに実施された。私はその、大阪城ホールのライブを観に行った。
そのライブで感じたことや、ご本人から聞いたアルバムの意味(くわしくは後述)を踏まえて聞く今回の新作は、普段とは違った聞こえ方をしそうです。
先ほど、AmazonからCDが届いた。早速ヘッドホンをして、チョコケーキとミルクをお供に、じっくり聴くことにしよう。今宵は、いい夜になりそうだ。
もくじ
アルバム開封の儀!
こちらが、アルバムのジャケット。マットで、なめらかな質感。側面はグレーのヘアライン(髪の毛みたいに、すごく細い線)がかっこいい。
表と裏表紙は、青と黄の抽象絵画のようだ。そういえば山口さん(ボーカルギター・フロントマン)は、クレーの絵がお好きでしたっけ。
※クレーとは、リズムやハーモニーといった音楽要素を抽象絵画にした有名な画家です。kikUUikiというアルバムに、クレーの名前がそのままタイトルになった曲がありますね!
ケースから歌詞カードを取り出し開いた瞬間、心が動いた。詩集の本を読んでいるみたいだ。星の数ほどある言葉づかいから、どうやって言葉を選び、紡いでいるのだろう。そんなことを思いながら、音楽をかける。
Disk1/01.忘れられないの
今回のアルバムの中で、一番好きな曲!ライブで聞いたときも、この曲が一番いいなと思った。
ジャン!ジャン!というリズミカルな音がすごいインパクト。そこからジャーンジャーンと4回4分音符の伴奏になって「あぁ~、そうそう~この流れだよ~」と、しっくりくる。
「春風で揺れる花 手を振る君に見えた」だって。詩人だね~。
他にも気になる言葉がでてくるけど、全体的には抽象的かな?想像の余地がたくさんある。各々の解釈でいいのかもしれないけど、作詞をしたご本人の考えも聞いてみたいですね。
そして、曲順について…この曲がアルバムの一番最初ということに、グッときてしまった。というのも、私がサカナクションを好だと初めて確信したのが、2ndアルバムの最初の曲「ワード」だったから。当時インタビュー記事を読むと、「いちばん自信のある曲だからアルバムの最初にもってきた」と書いてあった。
もしかすると、この「忘れられないの」も自信作なのかな?(あとで音楽雑誌のインタビュー読もっと・笑)
※6/22追記:さっそく、MUSICAという音楽雑誌のインタビューを読みました。山口さんが経験した、とても素敵な「忘れられない」エピソードが書いてあった。私は読んでて嬉しくなってしまったよ。よかったら皆さんもぜひ読んでくださいね。
Disk2/04.ナイロンの糸
おお、これは…海だ。ゆっくりと深海まで潜っていけそうなサウンド…とても心地よい。
と思っていたら、歌詞も海のことを歌っている曲だった。音のイメージにぴったり!
ナイロンの糸とは、たぶん釣り糸のことだろうか?山口さんは釣りが趣味だもんね。海に糸を垂らしているのか。
ところで私の父はチヌ(黒鯛)釣りが大好きで、よく海釣りにでかける。私は今まで全く興味がなかったんだが、1年ほど前、旬の魚だという太刀魚釣りに連れて行ってもらった。
夜が明ける前に海へいって、船に乗せてもらう。船からながめる海は絶景だった。そして、生きた太刀魚が全身をうねらせる様があんなにも美しいこと。それが死んでしまうとすぐに輝きを失ってしまうことを、生まれて初めて知った。こんな景色を、釣り人はいつも当たり前のように見ているのかと思った。
そんな体験をしたからこそ、この曲がすごく心に響く気がした。
※6/22追記:この曲で一番好きな音は、後半の間奏から入ってくる管楽器。これは本当に素晴らしいな…。
金管楽器っぽいけど、トランペットでもトロンボーンでもなさそう。もっと優しくやわらかな音色の楽器だ…でも結局、何の楽器なのか自分ではわからなかった。高校生の頃は吹奏楽部だったのに情けない(笑)
後で楽曲のクレジットを見たら、ユーフォニアムとフリューゲルホルンのクレジットがあったから、きっとこれが正解だろう。ユーフォか…納得。ギリシャ語で「良い響き」という名の楽器らしい。人の声に似ている音を出すとも言われている。とても優しい音の出る楽器。
834.194の意味
別の記事:私的ライブレポート: サカナクション SAKANAQUARIUM 2019 大阪城ホールでも書かせて頂いたのですが、
先日のライブMCにて、834.194は「やみよ、いくよ」という語呂で覚えているという話をされていた。闇夜というのがなんともサカナクションらしい。
サカナクションの故郷である北海道の音楽スタジオと、いま活動している東京の音楽スタジオを線で結んだ距離が、834.194kmなんだそうだ。
この数字をアルバムのタイトルにしたということは、「初心忘れるべからず」といったところだろうか。
なお、このアルバムには「セプテンバー」という曲が、バージョン違いで2パターン収録されている。この曲は、サカナクションが北海道にいた時代、今のように他人のためではなく、自分達の課題のために作った曲だそうだ。
アルバムの重要曲、セプテンバーにそのような背景があるということは…このアルバム、今の自分達のために作ったのかな?
いちファンとしては、自分達の好きに作ったアルバムであればいいなと思う。