私的ライブレポート: サカナクション SAKANAQUARIUM 2019 大阪城ホール 2019年5月21日

何億年ぶりかな??と思うくらいお久しぶりの、サカナクションワンマンライブ!!

大阪+サカナクション=オオサカナクション!!大阪城ホール2daysですが、1日目に参戦してきましたー!

※ご注意:盛大に【ネタばれ】しておりますので、見てもOKな方のみ先を読んでください。



会場の外でグッズ等をチェック

3時すぎ頃、会場の様子を見に行きました。

グッズ列は何十人か並んでいたけど、あまり長い間待たずに買えそうでした。平日だからかな~?

ライブ前、恒例のお茶しばき

大阪城公園駅を出てすぐ、飲食店街があるのでそちらで友達とお茶。

このアイス、中に香ばしいナッツが入ってて美味しかったー!

お店の情報も載せときますね!

Italian Dining NATURA(ジョーテラス大阪)

ホールの見取図はこんな感じ

上のお写真は、入場前の待機列にあった案内板。

私はL5ブロックでした。
メンバーの細かな表情はわからないが、顔は見えるくらいの距離。やったー!!

ホールに入場すると、そこは…

今回はスマチケ(電子チケット)だから、スマホにチケットを表示させて。
それをスタッフの方に見せて入場します。

中に入ってみると、青や緑のライトがゆっくり旋回して、会場内を染めている。
サカナクアリウム(サカナ+アクアリウム)というツアータイトルだけど、本当に水族館みたいだ。

ステージ両サイドのモニタ画面には、
ところどころ線が途切れた円と、その中に光の粒子の集まりがランダムに動いている。円上に、6カ所小さい○印がついてあった。

実はこの図形には意味があることが後で分かる。(そちらは後ほど書きますね!)

会場の様子をスマホで撮影しているお客さんがいたので、「あ、今は撮影しても大丈夫なんかなー?」と思い、近くのスタッフさんに撮影していいかどうか聞いてみた。

すると、別のところに聞きに行ってくれた(即答してくれると思いきや…わざわざすみません)。

その後「すみません、撮影ダメっぽいです…」と回答が。

「あっ、そうなんですねー!わかりました、ありがとうございます。」と言ったものの…「ぽい」ってなんだ?(笑)スタッフさんも、結局よく分からんかったんかなぁ…。

それからしばらく後で、音声で「開演中のスマートフォンの使用、撮影は禁止」とアナウンスがあった。

あれ?開演中…?じゃあ開演前の今はOKなん?何なん?(笑)

まぁ私はさっき「ダメっぽい」って言われたから撮影しませんでしたけど…もうちょっとハッキリ言ってほしかったな。

あと、遠くの方で「スマホ使用禁止、撮影禁止」って書かれている看板を持っている人をあとで発見した。あ、やっぱダメなのか。でも、これはこれで微妙やなぁ~…

というのも、ブロックに入る前、スマホでチケットを見せないといけないんですよね。使用禁止と掲示があるけど、その時はスマホ使わなあかんやん。

とにかくルールの説明が曖昧なのが気になったな~。わかりにくい。もし私が運営側ならこういう場合、開演前のスマホ使用はOKにして、開演後は使用禁止というルールにするかな~。

まるで映画のようなプロローグ

そうこうしているうちに、ついにライブが始まる…。ステージのほうには、大胆にななめのカットが施された白い幕が2枚、覆いかぶさっている。ステージの中はまだ何も見えない。

白い幕にプロジェクターで映像が投影される。

まずここで驚いたのが、投影された映像が「Dolby」のクレジットだったこと。映画館に行くと、本編の前に制作プロダクションのロゴが表示されるけど、あれと全く同じやつでした。

えっ、今から映画はじまんの!?(笑)と思ったけど、やはり今回のライブは映像を前面に押した演出でした。

最初は、「セプテンバー」という曲を山口さんがひとりで弾き語っている映像がうつしだされる。しかも、正面ではなくて真上のアングルだ。

しばらく後で横からのアングルに切り替わり、徐々に幕が開いていく。とてもシンプルでドラマチックな演出だ。

新旧作が入り混じる豪華セットリスト

セプテンバーが終わると、次は軽快なテンポの「アルクアラウンド」が始まる。
私にとっても思い入れのある曲…発売当時この曲が売れて、私、本当に嬉しかったんだ。真面目にいい音楽をやっている彼らが、世に認められた気がして。(もっとも、それ以降の快進撃はさらに凄かったけれども)

やっぱり、草刈姐さんのベースは最高やな。例えばこの曲のサビとか、土台の役割をしっかり果たしつつも、裏メロっぽく実に気持ちのいいベースラインよ…!

で、間髪入れずに「夜の踊り子」を繰り出してきはる!格子状のうごく背景に芸子さんが舞う映像。サカナクションがずっとテーマにしてきた、異質なモノ同士の組み合わせって感じだ。

「陽炎」では、紅色のルージュの綺麗なお姉さんが、歌詞を口パクで歌う映像。

「years」では、舞台の前方にレース状のうすい幕が配置されて、舞台後方から放たれる映像と、前方の幕に投影される映像が絡み合うような演出。しかも、楽曲の「ドゥン…」という音に合わせて、白い糸のような波形の映像がゆれていた。

陽炎もyearsも、音と映像が完全に同期している。これには、ある意味恐ろしさを感じた。合いすぎてて怖いっていう(笑)

リリース前の新曲もぞくぞくと

4~5曲ほど、聞いたことがない曲があったから、それがすべて新曲なのだろう。

そのひとつに、かなり壮大でエネルギッシュな曲があった。舞台から次々と炎が噴き出す演出で披露された。(それと同時に、近くの幕が動いたりしていたから燃え移らないかヒヤヒヤした・笑)
後のMCで知ったのだが、この曲がTBSテレビ「NEWS23」のオープニングテーマに決定したらしい。

そして私が一番気になった曲は、「ジャンッ」というリズミカルな音が印象的な…後で調べて知ったが、ソフトバンクのCMソング「忘れられないの」らしい。

この曲を演奏するとき「新曲だけど、ついてこれる?…自由にね!」という風な言葉を山口さんが言っていたと思う。私ぐらいの音楽オタクになると、このリズムを瞬時に覚えてのっちゃうよぉー!「ジャンッ」の音ところで、手をグッてやってました(笑)

大盛り上がりの新宝島&アイデンティティ

この2曲はね…やっぱ盛り上がるよね(笑)

新宝島では、本物のチアダンサーが登場!MVからそのまま飛び出してきた感じ。映像表現もすごいと思ったけど、生身の人間のパフォーマンスもすごい迫力だね!あっ、サビ前の「パンパンッ パパン!」はバッチリしっかりクラップしました!

アイデンディティでは、最初から「歌える!?」と声をかけて、みんなでシンガロングを。大合唱を聞いて「おおぉ…!すごい。今回のツアーで一番大きいかも(声が)」と、笑いと驚きが混じったような声で話していた。

さすがオオサカナクション!ノリがいいよね!!これだから大阪のライブはやめられない。

感動必至のmontageフォーメーション

montageとは、サカナクションが以前、映像を鑑賞して、そこからインスピレーションして音楽をつくるという試みをしたときに生まれた楽曲。

このmontageがライブで披露されたとき、サカナクションはいつものバンド形態ではなく、ノートパソコンを机にのせて、5人横並びの配置だった。だから私は、勝手にこの形態をmontageフォーメーションと名付けています(笑)

今回のライブでもその形態のシーンがあって…そのときの曲はINORI、SORATO、ミュージックだった。

実は、私がこのライブで一番感動に震えたのがここだった。

この形態で一番の盛り上がりを見せたとき、映像は朱鷺の羽の色のような、白と朱色っぽいピンクの無数のパターンがうねりながら動いていた。そのとき、5人横並びのメンバーは、笑顔で両手を挙げていた。

その光景をみた時…夢をみているようだった。なんと美しいんだろうと涙が出た。

人がこのような景色をつくることができるのだと、こみ上げてくるものがあった。

これはなかなか、実際に体験した人でないと分からないと思う。私はこれを書いている今でも、思い出して涙目になっているくらいだよ。

ただただ、美しさに涙する。本当にすごかったんだ。私は今日ここに居合わせて、心底よかったと思う。

アルバムタイトル「834.194」の意味

MCでは、「アルバムの発売が遅れてすみませんでした」と謝る山口さん。お客さんから少し笑いが起きる。

アルバムのタイトルになっている「834.194」というのは、以前サカナクションが地元の北海道で利用していた音楽スタジオと、現在の東京のスタジオを結んだ距離らしい。

834.194だから「やみよ いくよ」という語呂で覚えてるんだけど…という話に納得した。覚えやすいし、「闇夜行くよ」ってサカナクションらしいと思うよ。独断と偏見だけど、闇夜と雨が似合うバンドだよね。

北海道のスタジオは、サカナクションの原点と呼べそうだ。振り返ればこんなにも歩いてきた…そんな感慨があるのだろうかと想像した。

ここで、その原点でつくった…まだ人のためではなく、自分達の課題のためにつくったという「セプテンバー」を、ラストにもう一度、バンドサウンドで演奏してくれた。

本日の目玉、サラウンドスピーカーのご紹介

アンコールに応えて、舞台に戻ってくるメンバー。ここで本日の目玉「サラウンド」について、なんと実演で説明があった。

一般的なライブでは、スピーカーは左右の合計2つ。でもサカナクションはそれに加えて、ウーハーをつけているらしい。なお、町でみかけるこわ~い感じの、ドゥンドゥン爆音を鳴らしている車に搭載されているのがウーハーらしい(笑)

で、今回はそれに加えて更に!頭上に6カ所、観客を囲むようにスピーカーが設置されている。

まず、全てのスピーカーから音を出したらどうなるかをやってみせてくれた。
めちゃくちゃ反響して、ひとことでいうと音響過多ってかんじ?

その後、6つのスピーカーひとつずつから音を出してくれた。あ、出している音は山口さんが喋っている声です。なので、右前スピーカーから音を出すときは「は~い、右前の山口ですぅ~~」と、各スピーカーにキャラがいるような口調で声を出していた(笑)

その音を出しているとき、舞台両サイドのモニタには、開演前に見えていた図形が表示されていた。開演前はランダムに表示されていた光の粒子は、各スピーカーから出されている音の粒を表現したものだったようだ。ひとつのスピーカーだけ音を鳴らしているときは、その場所から噴射しているように粒子が動いていた。

このスピーカーを効果的に使うために、たとえば合唱パートの音だけをサラウンドスピーカーから出す、といったことをしているそうだ。

こうやって自分達のこだわりを丁寧に説明してくれるあたり、作り手のことをより知って欲しいという気持ちが強いのかなと思った。クリエイター志向のお客さんに人気があるわけだ。

嬉しすぎるトリプルアンコール

アンコール一発目は、「バッハの旋律を夜に聞いたせいです。」
舞台には8体ぐらいのバッハの肖像画。山口さんは、このMVでおなじみ傀儡のダンスの振りを歌いながらしている。
改めて聞くとすごい曲だ。聞けば聞くほどハマるし不思議な曲…。

以前この曲をライブで聴いたときは、途中のピアノソロでお客さんがめちゃくちゃ沸いちゃって、せっかくのソロがちゃんと聞けなかったなぁ…と少し寂しい気持ちだったけど、今回は皆、水を打ったように静かで。ソロが終わりそうなところで静かに拍手が沸いていた。

とても嬉しかった。みなさんに感謝。

2曲目はなんと、「夜の東側」。1stアルバムの最後に入っている。
今日これが聞けるだなんて…!
私が昔、夜勤をしていたときに、帰りの電車でよく聞いていた曲。

「さよならする夜の東側 ゆっくり そうゆっくり暮れる」
夜が暮れる…ずっと夜に起きてたんだ。だから明け方のことを「夜が暮れる」と言う。

夜中ずっと、太陽がのぼるまで仕事をしていた私には、これが実に沁みましてねぇ…(笑)

間奏のかわいらしく跳ねるようなシンセサイザーも好きだし、最後のコード進行もお気に入り。

嬉しすぎて、演奏を聞きながら口パク(声には出してないよ!)で歌詞を唱えていたんだけど、そんなことしてるの私くらいだったんじゃないだろうか(笑)

そして最後の最後は、「グッドバイ」。スタッフ名のエンドロールが流れながらの演奏だった。

これが私の個人的な思い出とリンクして、めちゃくちゃグッときてしまった。

2年前、私は結婚式を挙げた。最後に撮って出しのエンドロールを映してから、サカナクションのグッドバイを流した。

私の一生でとても大切な日を、彼らの音楽とともに過ごせたことが嬉しかった。

タイトルや曲調も相まって、とてもエンディングに相応しい曲だと思う。

distance of journey

これで本当に最後。終演後には、distance of journeyという言葉がモニタに映っていた。

このライブの、そして次のアルバムのテーマなんですね。

そういえばMCで、「このライブ、やればやるほど赤字なんですよ」と話していた。それは…ダメですね(笑)

だって、みんな生活がかかっている訳だし。先ほど制作チームのエンドロールが流れていたけど、それってその中の誰かが負担することになるのでは?
誰かが犠牲になるのはダメだよ。

ちなみに赤字になるっていうの、何年か前のライブでも同じ事を言ってたと思う。うまく採算がとれるように、なんとかして欲しいなぁ…たとえばスポンサーつけるとか?(安易かな…)

とにかく、この旅がこれからも末永く続けられるように、そしてそれが幸せなものであるよう祈ります。感動をありがとう…!

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